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DX時代に求められる情シスの組織体制とは?

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これまで「縁の下の力持ち」であった情報システム部門の在り方が変わろうとしています。DX時代を迎え、企業のITを支えてきた情報システム部門は、どのように変化していくのでしょうか。ここでは、情報システム部門の役割の変化や、これからの時代に対応できる組織体制などを解説していきます。

1. これからの時代に情シスの役割はどう変わるか

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まず、今後情報システム部門の役割がどう変化するのかを予測してみましょう。

変わるITの在り方

これまで、日本企業の多くはIT戦略・企画、基幹システムの運用保守、社内インフラの整備などを情報システム部門に任せてきました。これらは、どちらかといえば「守りのIT」と呼ばれる分野であり、業務効率化やコスト削減によって企業の業務を下支えするものだと言えます。

一方、これからの時代に必要とされるITは「攻めのIT」と呼ばれる分野です。攻めのITは、IT自体が収益の柱になるような性質を持ち、ビジネスモデルの変革や製品・サービスの創出に貢献することが期待されています。こうした流れを受けて情報システム部門の在り方も変化していくことになるでしょう。

従来型の情シスは姿を消す?

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守りのITが主流であった頃の情報システム部門は「支援型組織」でした。つまり、主にバックオフィスやコーポレート部門と呼ばれる部門から要請を受け、ITシステムの開発・改修を行い、運用保守やサポートを提供する組織です。人事・会計・購買など「会社をうまく回す」ことに特化した部門とのやり取りが多いため、これらを支援する組織という意味合いが強かったのです。

しかし、これからの時代は攻めのITが求められることから、バックオフィス・コーポレート部門よりも、ビジネス部門とのつながりが強くなっていきます。ビジネス部門の定義は企業によってさまざまですが、一般的には営業部や事業部などが該当するでしょう。ビジネス部門とのやり取りが増える今後は、「ITを使ってプロダクトを生み出し、利益につなげる組織体制」が必要になると考えられます。

2. これからの時代の情シス=ハブ型、多機能な組織

では、情報システム部門が移行すべき組織体制を、もう少し詳しく検討してみましょう。

関与する部門が増える

プロジェクトが動き始めると、複数の事業部門とのやり取りが発生します。例えば、A事業部はAIによって顧客とプロダクトのマッチングを行う仕組みが欲しいと訴え、B事業部はIoTで顧客の行動履歴を追いたい、と要求してくるかもしれません。こうしたビジネス部門からの要求に対し、情報システム部門はそれぞれ異なるプロジェクトに関与していくことになります。

また、A事業部とB事業部が連携することになれば、当然のことながら情報システム部門もその連携を支援することになります。

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さらに、ビジネスを変革するためには、事業企画や営業、マーケティング、知的財産部門との連携が発生することも考えられます。こうした部門から得られる知見は、システムの要件に深くかかわっていくはずです。

このように近年のプロジェクトでは、複数のビジネス部門と緊密な連携が必要になってきます。
したがって情報システム部門は、技術・業務の両面で複数のプロジェクトに対応できる機能が必要になるでしょう。

DX推進部門を兼務する可能性も

また、近年はDXを専門とする「DX推進部門」を設置するケースも増えてきました。DX推進部門は経営トップの直轄であることが多く、「経営戦略の策定」「全社的なDX推進のロードマップ」「適切な人材の選出」「技術面からの支援」などを担います。こうしたDX推進部門が担う役割を、情報システム部門が兼務する可能性もあります。

もし、DX推進部門を兼務することになれば、情報システム部門の部門長やリーダークラスは、DX関連プロジェクトへの参画が求められるでしょう。つまり、複数の部門から意見を吸い上げて調整し、ビジネスモデルを作り上げ、DXプロジェクトを運営していく機能が必要になります。

複数のチームで構成される組織へ

上記のような仕事に加えて、従来型の業務も継続する可能性が高いです。つまり、基幹系を含む既存システムの運用保守や、DXを見据えた新たな情報基盤の構築、運用などは、引き続き情報システム部門の役割になるでしょう。当然のことながら、いずれのプロジェクトでも、外部の開発ベンダーを統括していくことになります。

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このように求められる役割が増えるにつれ、情報システム部門は「DXプロジェクト担当チーム」「既存システム運用保守チーム」「その他、新情報基盤対策チーム」など複数のチームで構成される組織へと移行していくかもしれません。

また、DXを想定した新しいビジネスは「小さく素早く立ち上げ、試験的にサービスを開始する」といった方法論が主流です。ビックバン的な変革よりもリスクが小さく、何度も試行錯誤を繰り返しながら成功への道筋を探ることが可能だからです。したがって、ウォーターフォール型のプロジェクトよりもアジャイル型のプロジェクトが適しています。この流れを受けて、情報システム部門のアジャイル型の組織体制へと移行していく可能性があります。

多機能・高機能化を支える「ハブ型組織」へと移行

以上の事柄を総合すると、これからの時代の情報システム部門は「ハブ型組織」への移行が求められると考えられます。

つまり、攻めのITを展開するビジネス部門と強調しながら、全社的なDXを推進するためにバックオフィス・コーポレート部門との連携も支援する組織です。それぞれの事業部門に対応する高度な専門性と、アジャイル型プロジェクトに対応できる柔軟な人材配置が求められるでしょう。

3. 適切なアウトソースが鍵

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しかし、高機能なハブ型組織を支える人員はどこから調達すれば良いのでしょうか。豊富なIT人材を要する大企業であれば、社内人材や関連会社からの出向でカバーできるかもしれません。

また、各事業部門と緊密にやり取りするとなれば、自然と上流工程に必要なリソースが増えていきます。そのため、開発・テスト工程は積極的にアウトソースすべきでしょう。

さらに、既存システムの保守運用など定型業務についても、可能な限りアウトソースを活用し、社内人材にしか任せられないコア業務に投入するリソースを増やしていきたいところです。

このように高機能化・多機能化を支えるには積極的なアウトソース活用が欠かせないと考えらえます。

4. まとめ

ここでは、これからの時代に求められる情報システム部門の組織体制について解説してきました。昨今、情報システム部門には、複数の事業部門と協調してプロジェクトを推進していくための多機能・高機能な組織体制が求められます。また、上流工程に必要とされるリソースも増えていくはずです。既存の運用保守業務や開発工程の一部を積極的にアウトソースすることで、さまざまなプロジェクトの推進に寄与する組織体制を構築する道を検討してみてはいかがでしょうか。

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